遡ること、1994年10月、大手通信企業AT&Tの広告キャンペーンの一環として、インターネット史上初のバナー広告が作成されました。このバナー広告はネット上に掲載されてから最初の4カ月で、全世界のインターネットユーザーの44%によってクリックされ、同社は莫大な広告利益を得ました。それ以来、[こちらをクリック]というボタンを何度押してきたかなんて、誰も覚えていないでしょう。
このバナー広告は、現在ではディスプレイ広告と呼ばれており、デジタルマーケティングの初期の形態として挙げられています。しかし、ディスプレイ広告は、デジタルマーケティング業界全体から見れば、まだほんの一部なのです。
従来のバナー広告やディスプレイ広告の登場から約30年が経った今、デジタルマーケティング業界は広告の枠を超えて、大いに進歩を遂げています。本記事では、企業や読者の方からのリクエストにお答えし、どのデジタルマーケティングチャンネルがいま最も可能性を秘めているのかについて紹介していきます。
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ウェブサイト(コンテンツマーケティング)
ウェブサイトは、消費者にブランドや商品、サービスを知ってもらうための重要なプラットフォームであり、企業にとって絶対に欠けてはいけないツールです。ウェブサイトを通じてうまく宣伝するには、まずはターゲット層を十分に把握し、効率的なコンテンツマーケティングを行うべきでしょう。
事業の大きさや会社の規模にかかわらず、クオリティの高いウェブサイトを作成することで、インターネット上での存在感を高めることができ、結果として見込み客と直接アプローチできたり、売り上げを増やしたりすることにつながります。ある世論調査によると、アメリカ人の69%がインターネットで買い物をしたことがあるそうです。たとえ、eコマースで製品を販売していなくても、よりサービス志向であっても、B2CであってもB2Bであっても、ウェブサイトへの投資は確実に将来の利益につながります。
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Eメール
Eメールの代替として、企業にとって中~高ROIをもたらすチャネルを見つけるのが難しい理由はいくつかありますが、ひとつだけ確かな理由は、Eメール特有の多様性です。Eメールは決して最先端のテクノロジーではありませんが、マーケティング予算を圧迫することなく、パーソナライゼーションやオートメーションといったコンテンツマーケティングの最新トレンドを利用することが可能なのです。
また、Eメールは、他のマーケティング目標にも貢献してくれる可能性があります。マーケティングチャネルとしてのEメールを、B2B企業のマーケターの73%がリードジェネレーションのため、B2B企業のマーケターの63%が収益促進のための最重要戦略だと考えているのは、きっとそれが理由でしょう。
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ソーシャルメディア
ソーシャルメディアマーケティングをこのリストに入れた理由は、全世界のソーシャルメディアユーザーが44億8,000万人に達しているからという理由だけではなく、他にもいくつかあります。ソーシャルメディアは、個人と個人が親密な関係を作るための手段から、当初予想されていたよりも大きくなり、影響力のある存在へと発展してきました。
最近では、よりパーソナルで真っ直ぐな手法として、見込み客にアプローチすることができます。その結果、見込み客全員に向けて大々的に宣伝するというよりもむしろ、客一人一人とのつながりを構築することを目的としていることになるので、誠実なソーシャルメディアマーケティングを目指していくほうがずっと簡単になっています。
消費者のニーズと関心を理解するように努めながら、ターゲットとなる市場とのつながりを確立するために時間を割いていかなければなりません。辛抱強く続けていくと、LinkedIn、Twitter、Facebookにおいて、それぞれ80%、13%、7%のB2Bリードを生み出すことができるかもしれません。
これはすぐに売り上げの向上につながるかもしれませんが、ソーシャルマーケティングでは、サービスや製品を販売することではなく、まずは消費者との強固なつながりを作ることに集中すべきだということを覚えておきましょう。